身体科看護師さん向けに優しい精神科薬解説をしていきたいと思います。身体科でも認知症や精神疾患患者は増えてきているため目にする機会が多いかと思います。
なんとなくせん妄にはリスパダール?っていうイメージ強いと思います(実際僕もそうでした、、、)
これを読んで大まかに理解しておくとどれを用いるべきなのか分かります!
もちろん精神科に務めている看護師さんも読んでね!
向精神薬の大別
・興奮を抑える
→抗精神病薬
・気分をよくする
→抗うつ薬
・気分を安定させる
→気分安定薬
・不安を取る薬
→抗不安薬
・眠りをよくする薬
→睡眠薬
抗精神病薬の適応
抗精神病薬は主に
統合失調症、せん妄、衝動性・妄想が強い、うつ、双極性障害、認知症に用いられます。
抗精神病薬は非定型と定型に分けられます。
定型は古い薬(効果も強く副作用も強い)
コントミンやセレネースなど…
非定型は新しい薬(効果もマイルドで副作用もマイルド)
リスパダール、エビリファイ、ジプレキサなど…
非定型抗精神薬の分類
非定型抗精神薬はSDAとMARTAとDSSの3つに分けられます
SDA メリット 幻覚妄想に強く効く、剤形が豊富
デメリット 錐体外路症状(EPS)が多い、鎮静作用が弱い
リスパダール
→発現時間は15分〜1時間。半減期は3時間だが、代謝物質にも弱い活性が残るため1日2回でよい
インヴェガ
→リスパダールの代謝物質を抽出したもの。副作用が少ない。半減期が20時間と長いため1日1回でよい。しかし即効性に欠けてお金も高い
ルーラン
→半減期は2時間。半減期が短いということは蓄積も少ないため副作用も少ない。
ロナセン
→最もドパミン遮断が強い。半減期が12時間のため錐体外路症状が多いが、効果も強い。最近では貼付薬のロナセンテープが発売された。
MARTA
メリット 統合失調症の陽性症状には効果が薄いが、副作用が少ない。鎮静が強い
デメリット 糖尿病は禁忌
セロクエル
→半減期が2~3時間。1日3回投与が必要なため統合失調症にはあまり用いられない。せん妄に対しメインで用いられる。
ジプレキサ
→半減期は20~40時間。1日1回でよい。最も人気のある抗精神薬
DSS
メリット 副作用が少ない。剤形が豊富
デメリット 鎮静が弱い。アカシジアが多い
エビリファイ→半減期が60時間。ゆっくり効いていくイメージ。
※半減期が長いため2~3日に1回でよいかというとそうではない!内服の間隔が空くということはそれだけアドヒアランスが悪くなるということ!
以上が大まかな抗精神薬の解説になります。
強さでいうと、SDA>MARTA>DSSって感じですかね。
リスパダールやジプレキサはよく用いられるので知っておいて損はないと思います!
これから精神疾患別に薬剤の解説も行っていきたいと思います。
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